続発性月経困難症とは

子宮内膜症や子宮筋腫などの「続発性月経困難症」について触れていきます。

子宮内膜症は20歳代以降の疾患であり、思春期ではなかなか発症されないと考えられていましたが、2005年辺りから「実は思春期でも子宮内膜症の頻度は意外にも多い」とアメリカの産婦人科学会は発表されております。

思春期女性が「骨盤痛」だと訴えて、医療機関で受診された際に腹腔鏡検査を行なってみたら実は子宮内膜症だったというケースがかなりの割合で高いとされています。

続発性月経困難症の原因を調べたデータでは、20~30歳代の半数以上は子宮内膜症が見つかっており、逆に月経困難症の人は子宮内膜症のリスクが2.6倍高まっているというデータも存在しています。

子宮内膜症とは本来、子宮内にあるべき子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所に発生してしまい、月経が起こるたびに増殖・悪化していく疾患であります。元々、子宮内膜は不要になることで子宮外に排出されて月経となりますが、行き場がなくなる子宮内膜症組織の出血は、体内で炎症を引き起こして、次第に周辺組織と癒着してしまい、痛みや不妊の原因にもなるとされています。

子宮内膜症が卵巣に発生すると、上の図の右側のように袋が発生して中に血液が溜まります。血液が溜まることで古い血液となり、チョコレート色となり、チョコレート嚢胞と呼ばれます。これが次第に破裂や卵巣がんに変化するリスクがありますので、早めの処置や対処が必要です。

では、子宮内膜症の原因は?と気になる方も多いかと思います。

実は子宮内膜症の発生機序ははっきりと解明されておらず、月経が原因で卵管内で逆流する経血に何かしらの因子となるものが含まれている可能性が高いとされています。

現代と比較して昔の女性のは子宮内膜症の発症が少数派だと言われています。

その理由として昔の女性は妊娠・出産・授乳で卵巣が休める期間が長く、多産でもあり、生涯に渡り月経の回数も少なかったからでもあります。

それと比較して、現代女性は子宮内膜症の発症しやすい環境だと言われております。

その理由として、早期年齢で初経が来て、晩婚化で少産化傾向、更に閉経も遅くなり、一生涯での月経回数が昔よりも圧倒的に増加しています。この月経回数の増加が結果的に子宮内膜症を発症させやすくしてしまうと考えられています。

続いて、子宮内膜症の主な症状について見ていきましょう。

子宮内膜症の主な症状は「月経痛」「月経時でない時の下腹部痛」「腰痛」「レバー状の塊が出る」「排便痛」「腹部膨満感」「疲労感や消耗感」「性交痛」「月経量が多い」「不妊状態」「頭痛」「下痢」「便秘」「肩こり」「足の痛み」「吐き気」「嘔吐」「頻尿」「発熱」「めまい」などがあります。

子宮内膜症の好発部位(発生しやすい部位」というものがあります。

それは「卵管」「卵巣」「膀胱子宮窩」「仙骨子宮靭帯」「子宮漿膜」「Douglas窩」「直腸膣中隔」となります。

この他に「子宮腺筋症」という疾患も存在します。30歳代後半〜40歳代に出やすい症状であり、月経痛が強くなったり、過多月経、月経期間の長引などが起きる症状であります。子宮内膜様組織が子宮筋層内に直接染み込んでしまい、周囲筋層に炎症をもたらして大きく腫れた結果、子宮筋層が分厚くなってしまいます。

また、30〜40歳代の女性に多いお悩みの一つが「子宮筋腫」であります。

症状としては「鉄欠乏性貧血」「過多月経」「不正性器出血」「月経困難症」「不妊」「下腹部膨隆」「頻尿」「腰痛」などの症状が現れます。

子宮筋膜がどの部位に発生するかによっても症状が異なってきます。前側に筋腫がある場合は、膀胱が圧迫される為「頻尿」「排尿障害」、尿管が圧迫された場合は「水腎症」「尿閉」などの症状が出ます。

逆に後ろ側に筋腫が出た場合は、腰仙骨神経叢の圧迫が起きることで「腰痛」、直腸の圧迫が起きることで「便秘」が起きやすくなります。

このようにどの部位に筋腫が起きているのか、ということも把握して対処する事がおすすめです。

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