手を振ってと伝えても歩き方は治らない
神経システムがきちんと働く為には、脳機能がきちんと働く必要があります。
人は痛みを来すとつい「筋肉不足」「関節の柔軟性」の有無を考えてしまいますが、脳や神経の機能についてはあまり考慮しません。
「痛み」「違和感」を感知するのは「脳」でありますので、この脳神経の機能を理解することは健康づくりにおいても、とても大切な要点となります。
日常の身体の動きや姿勢が「脳のどの部位に入り」「脳にどのような情報を与えて」「脳のどの部位が活性化されるのか」「脳のどのような能力が活性化されて、抑制されていくのか」ということを考慮して、運動や日常生活の過ごし方を意識していくことがおすすめです。
運動は単なる身体を強くするだけのもでなく、ある意味「脳トレ」であります。
その理由は以下の通りです。
様々なバリエーションの運動を行うことで、筋肉や皮膚や関節などの感覚器がしっかり働くことで、脳に対して刺激情報の入力が入ります。そして、脳が適切な情報処理を行えることで、きちんと指令を身体に与えて、身体がそれを表現するわけですので、この「脳の適切な情報処理をどのように行うか」がとても大きなポイントとなります。
そのように考えると、一般的なフィットネスクラブに置いてあるマシンが全て、座って行うものであり、それだけを週3回行なっていても適切な脳の情報処理能力は向上しません。もし、あなたが「転倒予防」「歩行機能向上」「姿勢改善」のために、フィットネスクラブに通っているのであれば、残念ながら目標達成することは難しいと断言致します。
運動療法の世界では「Improve input before fixing output=アウトプットを修正する前にインプットを改善しよう」という言葉があります。
よくある一例として、歩いている時に「歩幅が狭い」「手の振りが小さい」方に対して、周囲の方は「もっと足を大股にしましょう」「踵から地面に着地しましょう」「手幅を大きく振りましょう」とアドバイスを与えてしまいます。
しかし、「歩幅が狭い」「手の振りが小さい」という身体の表現は既に「アウトプット」となっておりますので、これに対して「アウトプットでの介入」は全く意味を成さないことは、なんとなく前文を読んでいただけるとご理解出来るかと思います。
ここで大切なのは「的確な情報伝達」と「受け取った情報に対する適切な情報処理が出来る脳機能」であります。
つまり「インプットをいかに変えるか」ということに視点を移す必要があります。
ぜひ、運動に対するイメージが変わるきっかけになれば幸いです。
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