機能向上において万能なエクササイズ
こんにちは!横浜筋トレスタジオの宮原です。
老若男女問わず「前庭」に問題を来すと日常生活動作、スポーツパフォーマンスにものすごく影響が出てしまいます。
主に眼球動作や頭の動きを利用してこの前庭機能を向上させていくのですが、エクササイズとしてとても優れているのがマットピラティスの「ローリング」という種目です。
ゆりかごのように「ごろーん」と寝て起き上がる運動を繰り返していきます。
これによって前庭覚に対する刺激が促せられます。
前庭覚からの情報によって「頭」と「首」がどこにあるのか?という感覚が芽生えますが、前庭覚の機能低下はこれらの感覚が失われておりますので、首が前に出た姿勢が習慣化されたり、視覚を過剰に頼って地面をじっと見ながら歩くという習慣が身についてしまいます。
なぜなら、前庭覚は「自分の身体がどのような方向に向かって、どのくらいの速度で移動しているのか」ということを把握する上で最も重要な感覚器であります。
また、前庭系の何かしらの損傷は、海馬の中にある空間認知細胞の活動減少してしまい、これに伴い自分自身がどこにいるのか?という認知が起きなくなります。当然「浮遊感」「ふらつき」「目眩」などに直結してしまいます。
それでは、前庭覚をより理解する為には「三半規管」と「耳石」についての理解が必要不可欠であります。
これらが理解できることで、バランス機能=筋力だけの問題ではない。という事が理解できます。
まずは三半規管からみていきましょう。
三半規管の機能は、先ほど少し説明したように「頭の動きと加速度を感知する」「眼球を頭と同方向、逆方向に動かすことによって視覚から得た情報がより正確性を増すことに役立たせる」などがあります。
前庭覚を鍛えるトレーニングでは前庭動眼反射(VOR)で眼球運動を促す種目がおすすめですので、それぞれどこに刺激が入るのかを解説していきます。
VORで水平に動かした時は「外側半規管」が働いてきます。右側に動かした時は「右側の外側半規管」、左側に動かしたときは「左側の外側半規管」が働きます。
今度は上下に動かした時についてです。下に動かした時は「両側の前半規管」、上に動かした時は「両側の後半規管」となります。
斜め右上に動いたときは「右の後半規管」、斜め左下に動いたときは「右の前半規管」が働きます。
斜め左上に動いたときは「左の後半規管」、斜め右下に動いたときは「左の前半規管」が働きます。
続いて、神経的に半規管に関する入力経路についてみていきましょう。
半規管(Semicircular canals)の入力は前庭神経核の内側に入っていきます。そして、内側前庭神経核は上行性の為、上に向かって上がっていきます。どこまで上がっていくかというと、大脳皮質まで上がります。
耳石である卵形嚢(Utricle:maculae)と球形脳(Saccule:maculae)は外側前庭神経核に入力されていきます。外側前庭神経核は外側脊髄路と言われており、下降性という特徴を持っている為、首から下に向けて刺激が行くようになっています。
半規管から入力を受けた内側前庭脊髄路は、頭が半規管からどちらに向いているかということを瞬時に判断して、視覚を水平に保つ役割があります。これを「前庭頚反射」といいます。また、外側半規管は頭の位置を把握している為、この半規管の機能低下もしくは障害を来すと「空間認知能力の低下」が起きますので、歩行中のふらつきやめまいにもつながる症状であります。
続いて、耳石には前後と上下に対する加速を感知する「球形嚢」と前後と左右の加速を感知する「卵形嚢」が存在しております。この耳石から入力が入ると「外側前庭脊髄路」に対して刺激が入ります。この刺激が入ることで、腰髄までの同じ側の脊髄全体まで刺激が入ります。
そうすることで、頸部や体幹が重力に対して負けないように働きしっかりと安定した身体になり、腕や脚の関節を伸ばす筋力も活性化されていきます。つまり、良い姿勢に必要な筋肉たちが活性化されていきます。
それ以外にも地面を押す能力が機能していきますので、呼吸機能の改善をはじめとした身体の不調が改善されやすくなります。
長くなりましたが、今回のお勧め種目であります「ローリング」は頭が「前後、上下」の動きが含まれております。これは時前後の動きによって「前半規管」「後半規管」から内側前庭脊髄路へ刺激を受けることで頭部の位置の認知が出来て、前後と上下によって「卵形嚢」「球形嚢」から外側前庭脊髄路へと刺激が入ることで、姿勢に関与する抗重力筋群が活性化されます。
つまり、一つの種目の動作で日常生活やスポーツ動作に必要な身体の様々な機能が活性化されますので、お勧めであります。
健康づくりのお役立てできれば幸いです。
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