骨盤歪み改善の根本的要素
こんにちは!横浜筋トレスタジオの宮原崇です。
連日「筋は3つの機能がある」ということをお伝えしております。
「感覚器」「運動器」「移動器」の3つです。
前回までは骨盤に関与する筋の感覚器としての評価方法をお伝えしました。
今回は身体を「運動器」として見た時にどのような観点が必要かをお伝えします。
運動器としての観点は「関節のポジションは適切かどうか」「関節のコントロールはきちんとできるかどうか」を把握していく必要があります。
骨盤の歪みの有無に関与する筋
骨盤に関与する筋に着目していく時に「矢状面」「前額面」「水平面」というふうに3次元的に見ていく必要があります。
- 矢状面:腹筋群、ハムストリングス、大腰筋、脊柱起立筋群など
- 前額面:腹筋群、内転筋、中臀筋、腰方形筋など
- 水平面:腹筋群、大臀筋、内転筋、大腰筋など
矢状面上では腹筋群とハムストリングスで骨盤の前傾、後傾のバランスが決まります。腰が反りやすく、背中の張りが強い人はここに着目をすることがおすすめです。
前額面上では、腹筋群、内転筋、中臀筋、腰方形筋などによって骨盤の横の傾き具合が決まってきます。
水平面上では、腹筋群、大臀筋、内転筋、大腰筋などによって、骨盤の回旋具合が決まってきます。
3つの面を合わせて、歩行動作に大きく関わり、アンバランスな状態の繰り返しによって「腰痛」「膝痛」「肩こり」にも多く関わってきます。
骨盤の歪みを正すために必要な要素
骨盤の歪みに対して「〜筋を伸ばして」「〜筋を鍛える」という方法ではあまり効果は出ません。例え、一時的に改善されたとしても、対処療法的な方法では根本解決にならないと考えた方が人間の身体の本質をとらえていると私は考えております。
骨盤の歪みを正したり、関節のポジションを適正化していくためには以下の5つの要素が必要です。
- 感覚の統合(特にPMRFの活性)
- 筋の伸長感・収縮感の適正化(筋の活性化)
- 発育発達の姿勢を用いたトレーニング(Developmental Training)
- AF/FA の2つのトレーニング
- 骨盤底筋群のトレーニング
最初の段階として「感覚の統合」を行うことが大切であります。「PMRF」とは脳神経を活性化させるためのトレーニングであり、主に脳神経を深く関わりがある「眼球運動(ビジョントレーニング)」を行っていきます。なぜならPMRFの機能が低下していると「股関節の過剰な外旋(ガニ股)」「腰部の過剰な緊張」などを作り出してしまうので、いくら筋にアプローチしても改善は見込めないので、先ずは脳神経を適正化して、そこに関わっている筋のバランスを整えよう、という考え方になります。
「筋の活性化」については前回以前にも投稿しておりますので、次の「Developmental Training」について見ていきましょう。
このトレーニングは生後3ヶ月〜13ヶ月のポジションで段階を踏まえながら、関節の安定性を作っていく方法です。例えば、股関節の中心位置、骨盤のニュートラルポジションをキープしながら運動していくことで関節の正しいポジションを習得することが可能です。
1から順番に行っていき、最後の4、5まで行えることが骨盤の歪みを正す為に必要な流れとなります。
意外と多い「骨盤前傾」による身体の各部位の痛み
「股関節の痛み」「膝関節の痛み」「足関節の痛み」「外反母趾による痛み」などを感じている方が多いかと思います。
その原因の一つとして「骨盤の前傾」です。
関節には「骨連鎖」というものが存在します。
骨盤が前傾になることで、「大腿骨内旋」「脛骨内旋」「足関節回内」という連鎖を起きます。
もしくは代償動作による「大腿骨内旋」「脛骨外旋」「足関節回外」によって、「股関節痛」「膝関節痛」「足関節痛」の原因としても十分に考えられます。
これらを根本的に解決する為にも、ただ単にジムのマシンで筋トレだけでは、根本的な改善が見込めないことお分かりいただけるかと思います。