ピラティスと動作学習
横浜市中区本牧原バス停前で「生活習慣病の予防・改善ダイエットサポート」「肩こり・腰痛予防改善」「中高齢者の筋力向上」を主体に仕事をさせていただいております、横浜筋トレスタジオ代表の宮原崇と申します。
このブログをご覧いただきありがとうございます。
ピラティスのエクササイズがただ単なる、外見的に「美しい」とか「かっこいい」「流行に乗っている」というものではなく、身体の健康に対して、どのように影響があるのか、を理解することでエクササイズの効果や意味合いが変わってきます。
今回はピラティスで大切な要素として、「動作」について一緒に学んでいきましょう。
例えはなんでも良いのですが、野球少年がいたとします。
その野球少年に投げ方を初めて教える時に、コーチが「相手をよく見て、足をしっかり上げて、グローブを前に突き出して、手首のスナップをしっかり使い、腕をしっかり振り切る.....」などという指導法をされたとしたら、この少年はコーチが言っていることが理解出来ず、頭と体が混乱して、きっとボールがきちんと投げられる迄に相当苦労するはずです。
その理由として、運動の技術を習得していく上で、ヒトは学習の段階というものが存在します。
よほどの天才でない限り、この学習段階を飛び越えて、いきなり運動を習得できる、ということは物凄く稀なことであります。
これは楽器の習得でも同じことであります(これも人が指など様々な関節を動かしますので、運動として捉えても差し支えがないかと思います)。
運動技術の習得には3つの段階があります。
その3つとは左から順に「認知」「連合」「自動」です。
認知の段階では、初めて見たり、ご自身で体験をしますので、脳や身体で記憶されておりません。
当然動きもゆっくりとなり、指導者の見よう見まねをして、やりながら「こうでもない、あーでもない」と行いながら、頭の中で「指を伸ばして、膝はもう少し曲げる」など、一つ一つ確認しながら、その動作を懸命に習得しようとします。表現はよくないですが、この段階の方は運動が「下手くそ」です。
ガンダムのプラモデルでなら、細かい一つ一つの部品を組み立ていくイメージです。
この「認知」の段階で運動指導者が「2つ以上のタスク」を伝えてしまうと、相当な混乱が起きてしまいますので、運動技術の学習を理解している指導者はあまり細かいことを相手に伝えることはしません。
もしかしたら名コーチほど初心者に対して「言葉数が少ない」かもしれません。
動作の回数が増すごとに「認知」の段階から脱することができますと、最初できなかった運動が6〜7割はできるようになってきます。
これが「連合」の段階となります。
連合の段階での指導法は、残りの3割の動作を完璧に動作遂行を近づける為に、やや細かく伝えたり、よりタスクを多く伝えていくようになります。
ガンダムのプラモデルの細かい部品を一つ一つ組み立てら、それを合体させることで、どのような形をしてしているのか、ということが見えてくるようなものです。
最後が「自動」となり、この段階では質の良い運動をしながらでも他のことを同時に行えるような「マルチタスク」ができるようになります。サーカスでジャグリングをしながらギャグを言う、みたいに余裕が脳も身体もある状態です。
ピラティスでも筋トレでも各種運動でもこの「自動」の段階迄行きましたら、次の上の段階が出来るようにレベルを上げていく必要があります。
それは「体勢」「道具」「環境」「負荷」など様々ありますが、また最初の認知の段階から始めらるように、全身の機能をあげることが脳にとっても身体にとってもパフォーマンス向上させていくことが大切となります。
このように一つの運動を学習できるまでに「認知」「連合」「自動」というプロセスを経て、人間が運動技術を習得していくわけなので、運動実施されている方がどの段階に現在いるのか、を見極められる指導者や環境の元で運動をされるのがお勧めです。
ご自身やご家族の最適な運動環境を探す際の参考になれば幸いです。
本日は以上となります。