歯は命の由来
横浜筋トレスタジオの宮原崇です。
「年齢」の「齢」という感じは「歯」が「命」と書きます。古来から歯は生命活動において、大切な存在だということが認識されていた証拠でもあります。実際に90歳代でも元気に過ごしている方の多くは、歯の健康状態が良い状態の方が多い印象を持っております。人が人間らしく進化してきた過程には大脳皮質の発達のお陰です。700万年前にこの地球に猿人が誕生してから相手を威嚇したり、攻撃の道具として使用されてきた「犬歯」は200万年前の原人の頃には退化してきます。その頃には四足歩行から直立二足歩行へと発達をして現生人類へと近づいてきます。
大脳の発達により、論理的思考が可能になった新人類は次に「言語」を使用した情報交換という手法を手に入れるようになります。直立二足歩行ができるようになった新人類は軟口蓋と咽頭蓋の距離が離れたことによって言語が発達するようになり、それに伴って鼻腔や下顎の形も変化してきます。人であれて、物体であれ、直立をする為には当然バランスが必要となります。高層ビルでは強風や地震が起きても倒れないのは、ただ単に建物を頑丈に建築するだけでなく、衝撃を吸収させる為には制御装置が建物を上の方に備え付けられています。ちなみに制御装置のことを専門用語では「ダイナミックダンパー」と呼びます。
このダイナミックダンパーという機能は私たち人間にも備わっており、それがアゴ(下顎骨)であります。人の下顎骨は骨と骨が付着しているのではなく、側頭筋、咬筋、内外側翼状筋などの筋肉で吊るされている構造をしております。普段はあまり気にしないと思いますが、この下顎骨は体性感覚の機能を司っていて、私たちが歩行や運動時にバランスを崩した時に傾いた頭と身体を正中に戻してくれる役割があります。これらの要素を踏まえても「歯で噛めない」「噛まないで飲み込む」「偏食」「食事を簡単に済ませる」などの習慣は口腔機能や下顎骨の機能低下、そして直立二足歩行が出来なくことに繋がるのではないでしょうか。
「歯は命」という言葉を意識するだけでも、健康づくりにおいて役立つはずです。