食道と関連性が高い横隔膜
横浜筋トレスタジオの宮原崇です。
「消化不良」「食べても身体が大きくなれない」あるいは「食べた後のお腹の張り具合がいつも気になる」という方がいるとしたら、もしかしたらそれに対して胃薬を服用するケースがあるかも知れません。口に食べ物を入れてから喉を通り抜けて、食道に入って横隔膜を通り抜けて胃袋に入っていくわけですが、この食道と横隔膜の関係性はとても密着な関係性がありますので、横隔膜が適正に機能しているかどうか着目していくことも健康づくりにおいて、お勧めです。横隔膜には食道が通る穴がありますがこれを専門用語では「裂孔(れっこう)」と呼びます。この横隔膜の裂孔は第8胸椎の高さで下大静脈、第10胸椎の高さで食道、第12胸椎の高さで胸大動脈が通っています。脊柱から見ていくと胸大動脈が一番脊柱側にあり、その前に食道、更に前側には下大静脈の位置があります。それぞれ横隔膜を貫いているので、当然横隔膜の筋肉の緊張状態によって、この3つに影響を及ぼすのはなんとなく想像がつくかと思います。
横隔膜は呼吸をしていく上で主役となる筋肉でありますが、ここの機能不全が食道にも影響を与えるとなると、横隔膜の緊張が常に続いている状態で食生活を送っても、常にも食道が圧迫されていることになるので、食道から胃袋、その後の内臓に対して影響を与えない為にも横隔膜の緊張状態を解いていく必要が出てきます。横隔膜には二本の脚のような形をした「脚部」という部分があります。近年の専門学者の見解では、「横隔膜の脚部は食道の括約筋として働いているのではないか」という事が言われています。その為、横隔膜全体は本来、横隔神経支配だったのが、横隔膜の脚部だけは迷走神経支配なのでは?という見解もあるそうです。ちなみに、横隔膜の脚部と大腰筋(だいようきん)という筋肉は筋膜上で繋がっており、大腰筋の過緊張、大腰筋の機能不全は横隔膜の脚部にも影響が十分に考えられますので、デスクワークで座る時間が長い方は腿の付け根のストレッチや運動などを意識されてみてください。横隔膜の神経である横隔神経は首の骨である第3頚椎〜第5頚椎から始まっている為、頚椎の状態は横隔膜にも大きく影響を与えます。また第3頚椎〜第5頚椎には斜角筋(しゃかくきん)という筋肉がついております。この筋肉は呼吸をする際に肋骨を上に持ち上げる役割も担っておりますので、ここの筋肉が過緊張状態になると、横隔神経ととても近い関係性があることを考慮しても横隔膜の状態を良くしていく為にも、斜角筋に着目していく必要があります。
身体の構造を理解する事で、感覚ではない運動方法が身につける事が出来ます。これからはご自身の身体の特徴を理解された上で、どのような食事、どのような運動を行なっていくのか、ということを意識された方が生涯に渡り健康な生活を送れるのではないか、と個人的に考えております。
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