運動で腰痛・肩こりを改善させる手順
腰痛、肩こりなどの悩みに対して、多くの人が驚くほど「呼吸」に無頓着であります。
そもそも、腰痛と呼吸が密接な関係性が存在している、という常識が日本のヘルスケアにはないので無理もありませんが、呼吸パターンを改善しない限り、なかなか根本的な問題解決は難しいと思います。
これは多くの女性が悩まれている「骨盤底筋の問題」にも当てはまります。
呼吸のパターンとは、具体的には「胸とお腹それぞれに手を置き、息を吸った時に両部が同時に膨らんでいるか」「息を吸った時に肋骨は横に広がっているか」「呼吸のメインの筋肉である横隔膜がきちんと働いているのか」という事を判断する必要があります。
特に産後の女性の場合、妊娠中・出産後によく行われる「肩をすくむ」ような習慣が残っており、息を吸うたびに肩が上がり、これが原因で肩こり・腰痛に加えて頭痛が起きるケースも多々見受けられます。
これらの問題を見逃したまま、マッサージをしたりしてもなかなか改善されないのが、人体の仕組みから考慮してもお分かりいただけるかと思います。
そのため、当スタジオでトレーニングを始めたばかりの方で、呼吸機能に問題があれば、エクササイズをしながら呼吸を意識していただくことにフォーカスをしております。
呼吸の主役である横隔膜がきちんと働き、ある程度の呼吸パターンが獲得できれば、次の段階として行うのは「腰と骨盤の安定性の強化」になります。
腰と骨盤が安定しない状態で運動をしたり、日常生活を行うと、腰痛の再発が起きることは容易に想像できます。
なぜなら、腰の元々の役割は全身の中でも「安定」を担っているからであります。
腰骨の構造上、腰は動きに適しておらず、腰痛をお持ちの方は大概この「腰の過剰な動き」が問題となっています。
骨盤は腰とも連動しやすいので、腰と骨盤の安定性は股関節を実際に動かしていただき、安定の有無を評価していく事が大切となります。
最後の段階としては「肩甲骨と肋骨(胸郭)の動き向上」「肩関節の安定性」を運動で強化していくとが必要となります。
まとめますと、「腰痛・肩こり、尿もれ」などの問題解決に対して、必要な運動の順序は
- 呼吸パターンの適正化
- 腰・骨盤の安定性向上
- 肩甲骨周りの過剰な緊張を解く
- 肋骨(胸郭)の可動性を向上
- 肩関節の安定性向上
となります。
参考になれば幸いです。